Q. 『初穂料』とは何ですか?
A. 初穂料とはその年に収穫されたお米の代わりにお供えする金銭のことです。
ご神前に金品をお供えする際に記す表書きにはいくつかの書き方があります。のし袋の上部に「初穂料」や「玉串料」と書き、水引より下に名前を記す書き方が一般的です。

Q. お参りの作法はどのようにするのでしょうか?
A. 神社では、二拝二拍手一拝の作法で拝礼します。

神前に進み、
   まず腰を深く折り二回お辞儀をします
   次に胸の前で両手を合わせ、二回拍手を打ちます
   最後にもう一度深くお辞儀をします
作法についての明確な理由は伝わっていませんが、神様への感謝の気持ちや素直な心をお伝えする上で失礼のない丁寧な形としてこのようになったと考えられます。

Q. 境内にある手水舎では何をするのですか?
A. 神社の境内に入りまず最初に目に付くのが手水舎です。手水舎は神社を参拝する際、神様の前へ進む前に身を清める為にあります。
手水の作法は以下の通りです。
   まず軽く一礼し、柄杓を右手に持ち水を汲みます
   左手をすすぎ、柄杓を持ち替え右手をすすぎます
   もう一度柄杓を持ち替え、左手に水を受け口をすすぎます
   左手をすすぎ、柄杓を立てながら残りの水で柄杓の柄をすすぎます
   柄杓を元の位置に返し、軽く一礼します
手を拭く半紙やハンカチなどは事前に用意しておきましょう。

Q. お札・お守りをいただいたあとは?
A. お札やお守りは神さまの御分霊(神さまの魂をお分けしたもの)が宿っているもので丁重に扱わなければなりません。
時代や信仰の変化により現在ではお札は紙や木に祭神名の記されたもので、家の守り神として神棚にお祀りします。お守りは紙片や木片、布地に祭神名が記されたものを錦の袋やビニールに包装されており、個人が肌身につけて持ちます。
一年間、または祈願成就したら神社へ納めお焚き上げしていただきましょう。

Q. おみくじの吉凶について教えてください。
A. おみくじは自身の運勢や行動の吉凶を占うものです。大吉をはじめとした順番は神社によって多少の違いがあります。引いたくじは木または専用のおみくじ掛けなどに結んだり、自身の行動を戒める為に持ち帰って見返しても結構です。持ち帰ったおみくじは成就した後に神社へお返しすることもあります。大吉だから必ず良い、凶だから必ず悪いということではなく、おみくじに書かれている内容を良くかみ締め心の戒めとして今後の行動や指針にかえていくことが慣用です。

Q. 神さまのご利益はどのようにきめられているのですか?
A. 「古事記」「日本書紀」には日本の神々が活躍した神話が描かれております。登場する神々は現在ではあちらこちらにお祀りされております。神話、或いは地域の伝承の中での功績を讃えた内容のご神徳をご利益としていることがあります。地域の人々の信仰によって形成されていくこともあり、同じような願意の人が祈願したあと成就することが続くことからご利益として広まっていきます。

Q. 狛犬(阿吽)
A. もとは高麗犬といい、獅子と一対であったが、あわせて狛犬と総称するようになりました。大陸より伝来したもので、いかつい形相で邪気を祓う意があります。宮殿入口などの鎮子として古典などにもしばしば登場します。「阿吽(あうん)」の姿になっており、左右の狛犬には多少の違いがあります。片方が口を開け片方が口を閉じるなど様式は様々です。

Q. 神社でいただく縁起物とは何ですか?
A. お正月を迎えるとお守りやお札のほかに縁起物をお受けします。破魔矢、干支守、絵馬、熊手などがあり、それぞれ魔除けやその年の干支、福を呼び込むなど縁起担ぎの意味がこめられています。これらは神棚や床の間などに粗末にならないようにお飾りしましょう。

Q. 家庭でのおまつりについて教えてください。
A. ・神棚の意義
昔から日本人は身近に神様を感じて生活してきました。山や海、木や石にも神さまは宿り、私達に豊かな自然の恵みを与えてくださっていますが、実はもっと身近な家の中にも神さまはいらっしゃいます。家に設けられている神棚のことです。家の中でも神聖な場所に設けられ、家族をお守りしています。古代より神聖なものを棚の上に納めておまつりする習慣が日本人にはあり、現代においてもお伊勢さまのお札と地元の氏神さまのお札をあわせておまつりします。神棚をおまつりし、人生の節目を神さまと共に家族全員でお祝いし、日々の生活に感謝の気持ちをささげましょう。

・神棚の設置
家の中心で明るく清らかなところ
南向き、または東向きで目線より高いところ
家族みんなが毎日拝みやすい所
人の出入口となるドアや鴨居のうえは避けましょう。

近年建築様式の変化により、神棚が設置しにくくなっております。その際には最良と思われる場所におまつりしましょう。マンションなどの集合住宅では設置した神棚の真上を上の階の人が歩くというようなことになります。そのような場合は神棚の真上の天井に「天」、または「雲」と墨書した半紙を貼りましょう。
いずれにしても丁重にお札をおまつりする心がけが大事です。

・お札の納め方
宮型には主に三社造りと一社造りがあります。
三社造りとは神棚の扉が三つあるもので、中央にお伊勢さまのお札、向かって右側に氏神さまのお札、向かって左側に他に崇敬する神社のお札を納めます。
一社造りの神棚では一番手前にお伊勢さまのお札、その後ろに氏神さま、さらにその後ろに崇敬する神社のお札を重ねて納めます。
神社によってはお札の大きさの違いもあり、宮型に入らない場合や、ご祈祷を受けた際にいただいたお札は神棚の脇などに立てかけるなどして粗末にならないようにします。
神棚がない家庭では、おまつりするのに最良と思われる柱や壁に半紙や奉書紙を貼り、その上にお札をのりや両面テープで貼り付けます。間違っても画びょうなどを直接お札に刺してはいけません。

・お供え物
私達が普段食事をするように、家庭内の一日の始まりとしてその日最初のお米や炊いたご飯、お塩、お水を神さまにお供えします。日常はこの三品でかまいませんが、毎月一日、十五日、年中行事のときや家族にとって大事な日にはこの他にお酒や野菜、果物などもお供えします。神さまにお供えしたものには神さまのご神意が宿ります。お下げしたあと家族でありがたくいただきましょう。

・祭器具
注連縄 神棚の前面にとりつけ、神聖な場所であることを示します。
神棚の両脇にお飾りします。榊はみずみずしく生命力あふれる常緑樹で、昔から神事に用いられます。一日、十五日には新しくしましょう。
三方・折敷 お供え物をのせます。お供え物は以下のものです。
平瓮 お米、お塩を盛ります
瓶子 お酒を入れます。通常一対でお供えします。
水器 お水を入れます。

・古神札の取扱い
新しい年を迎えるにあたり、一年間おまつりしたお札やお守りを神社に納め、新しいお札をお受けます。古いお札やお守りは、一年間お守りしてくださったことに感謝し、清浄な火でお焚き上げします。
お札やお守りを毎年新しくする理由は、新たに清浄で生命力に満ちた御霊威のもと、これからの一年間を平穏無事に、そして健やかにすごせるよう神さまのご加護をいただくためです。


・お焚き上げとして納める時期
神棚のお札や一年間の健康を願う肌守りは暮れや正月に返納し新しいものを受けると良いでしょう。
神社でご祈祷を受けた際にいただいたお札や、「旅行安全」「合格祈願」「安産祈願」のお守りのように特定の願意がこめられている場合は、願意の成就や期間の終了をもって感謝の気持ちをささげ神社に返納します。


・たくさんのお札をおまつりすることは?
氏神さまのお札のほかにも旅行先の神社でいただいたお札も神棚におまつりしてもかまいません。たくさんの神様が一緒にいるとケンカするのでは?と思われがちです。ところが日本の神様は八百万の神というように、たくさんの神さまがそれぞれの役割や能力を発揮してお互い協力しあい、大きな「和」を生み出しているのです。
神棚にまつられた神さま方はお互いを尊重し円満に過ごす和やかな家庭の鏡といえるでしょう。

・忌中の神棚のおまつり
身内の人が亡くなられた場合は神棚のおまつりや神社への参拝をしばらくの間遠慮します。
故人の祀りに専念する「忌」の期間は一般的に五十日間とされ、この期間中は神棚の前面に半紙をはり一時的におまつりをやめます。忌が開けると半紙をとり、神棚のおまつりを再開します。忌中に正月を迎えた場合は、忌が開けたあとでお札をいただきおまつりを再開します。
忌が開けてもしばらくの間は故人への哀悼の気持ちを表すため「喪」に服しますが、神社への参拝や神棚のおまつりをしてはいけないというわけではありません。慶事の主催を控えるなどして慎むべきと思われます。
やむを得ず忌中に神社を訪れなければならないときは、鳥居をくぐる前にお祓いを受けると良いでしょう。

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